第75回メーデーおめでとうございます。
私は高知民商副会長の玉ちゃんと申します。仕事はカメラマンをしています。平和な日本で、平和な写真を撮っているわけですが、こんな私から見ますと、先だってイラクで拘束された方々がひじょうに眩い。自らが信じる道を歩いた人達は、たとえその道が私と正反していようとも、私には眩く見えます。しかし、世間は「自己責任」論者がはびこり、しかも、一部マスコミがそれをたきつけているのが現状です。でも、もし今回拉致された方々が、私と同じフリーな立場ではなく、そのたきつけ側一部マスコミ人であったならどうだったでしょう?

13年前にタイムスリップをお願いします。
1991年6月、雲仙普賢岳の噴火災害で、ある新聞社のカメラマンが亡くなりました。当時、火砕流は「頻発」しており、火山の専門家からの「警告」も出ていました。また、行政の「避難勧告」も発せられていました。そんな中、危険地帯に自ら飛び込んでいった新聞社のカメラマンと、彼が乗っていたタクシー運転手が、発生した大火砕流によって死亡したのです。そして、彼らの遺体を収容するために、火砕流が頻発する危険な中を、自衛隊員が命がけで現場に入りました。遺体の収容作業中にも大規模な火砕流が発生し、自衛隊員たちがあやわ、という場面もありました。この時、その新聞社は「避難勧告が発せられているのに危険地帯に飛び込んでいったカメラマンの自己責任ですから、税金による遺体収容はしなくてかまいません」などとは言いませんでした。それどころか、彼が撮った最後の写真を大きく掲載し、英雄的扱いをしました。同社が主張している今回の「自己責任」論とはエライ違いです。

今回、イラクの人達のために、真に役立っていた5人の方を、そこまで罵倒するのはなぜなのか?

先日、柏村という自民党の議員が「反日分子」という言葉を使って5人を攻撃しました。でも政府は「自衛隊も拉致された人々と同じように人道支援で赴いているんだ」という声明を、拉致実行犯に向けてだしています。それなのに「反日分子」なんてよく言うと思います。5人が反日分子なら、自衛隊自身も反日分子だということになります。同じ目的なんですからね。でもそうとは言わない。5人が人道支援のためにイラク入りしてたのは明確な事実ですから、彼らを「反日分子」だと言うのは、自衛隊イラク派兵が人道支援や復興支援目的ではなく「アメリカ支援」だということを、身内の議員が白状したようなものじゃないですか。

さて、消費税が4月から総額方式となりました。免税点も3000万から1000万に下げられました。免税点引き下げの理由としてあげられたのが「益税」です。お客さんから預かった消費税を、業者が懐に入れている・・・とさんざん宣伝されました。はたしてそうでしょうか?我々民商は中小零細業者の集まりです。そんな我々は消費税そのものに反対し、署名をはじめ様々な運動を行ってきました。もし、本当に「益税」があり、そういった不労所得みたいなものがあるのなら、誰も好きこのんで街頭で署名集めなどしません。それよか「消費税を最低でも20%に」という署名を集めます。その方が「益税」で儲かるわけですから。昨年、我々が調査した結果では、消費税を価格に全面的に転嫁できていない業者が、ここ高知では7割以上もいることがわかりました。転嫁できないということは、仕入れには当然消費税はかかってくるわけですから、課税業者であろうがなかろうが、その分自分がかぶっているということです。益税ではなく消費税は我々零細業者にとっては「損税」なんです。
そんなに益税があると思うのなら、消費税を我々業者が預かるというシステムをこそ見直したらいいのにと、私個人は思います。たとえば、売り場のレジの横に税務署員が立ち、お客さんが1000円の買い物をしたら「代金はそちらの店主に、消費税分50円は私にお渡しください」とやればいいんです。そうすれば益税なんか発生のしようがない。また、我々業者が信用できないという消費者がいらしたら、その方ご自身が直接国に支払うというのはどうでしょうか?「私は年間300万円の買い物をしました、よって消費税15万円を負担します」と、年に1度自己申告すればいいんです。我々に向かって「益税益税」と言っている、その本人さんが税金をごまかすことはないでしょうからね。
この2つが、現実的でないのは承知のうえです。でも、国の代行を当然のごとく無料でさせられ、そのあげく「税金泥棒」扱いされる我々の気持ち、分かりますか?会社の経理担当の方もそうでしょう?源泉徴収と年末調整。その両方を事業所が実務代行させられている国は、世界中で日本だけですよね。しかも年末調整については、今日の税制の下敷きになっている「シャウプ勧告」が「できるだけ早く税務署にその主体を戻すことが望ましい」と指摘した経緯があったにもかかわらずです。こんなアホなシステムはさっさとやめて欲しい。やめないのなら、押しつけといて「疑う」身勝手さだけは勘弁してほしい。 

「自己責任」論と「益税」攻撃。いずれも弱い者イジメで、本質をはぐらかし、国民を分断するのがネライではないでしょうか?我々民商の最終ステージは税務行政の民主化です。それは我々だけの力でできるものではなく、みなさん方の力をお借りしなければ不可能です。少しでも住み良い日本にするために、こういった策動に負けず、連帯し、共に頑張りましょう。